Interview

インタビュー

ITの力で未来を切り拓く。
私たちはお客様と共に寄り添う開拓者だと考えています。
日々どのような思考、姿勢、創造によって、
私たちが仕事をしているのか。言語化し、お届けします。

技術者が語る現場。

ITの力で未来を切り拓く。
私たちはお客様と共に寄り添う開拓者だと考えています。
日々どのような思考、姿勢、創造によって、
私たちが仕事をしているのか。言語化し、お届けします。

Discussionテーマ対談技術者が語る現場。

今後、ITエンジニアに求められること

対談:2024年8月

 ITは持続的かつ飛躍的に進化を遂げてきました。それは今後も続くでしょう。そうなると、ITエンジニアに求められることもその時、その時で変わってきます。では、ITの現場で今後、何が行われ、エンジニアにはどのようなマインドが必要となるのでしょうか。
 ラ・ハイナのエンジニアである技術責任者の垣花健一、グループリーダーの池田嘉宏と代表の武岡佑樹が議論します。

マネージャー兼技術責任者の垣花氏

マネージャー兼技術責任者の垣花氏

10年後に何を構築し運用しているか。
考える力が求められる

――ITというものが誰にでも使える、場合によっては誰でもシステムをつくれるようになりました。このように進化している中で、この先はどうなっていくかを考察したいと思います。

垣花健一(以下、垣花)

 今あるAIやクラウドでいえば、より発展して高度化していくのではないかと思います。ただ、さらにその先の技術となるとさまざまなことが自動化され、映画の世界のようなSF的な話になるかもしれません。
 あらゆることが自動化された未来になるとすれば、運用にエンジニアは必要なくなる可能性が大きいです。ただし構築する人材は必要だと思います。そのためには、10年後の技術を見据えながら私たちも学んでいかなければ生き残れないと思っています。

池田嘉宏
(以下、池田)
 私もそのとおりだと思います。一方で、技術は必ず社会課題が背景にあり、その解決のために使われます。たとえば日本は割合、社会課題の解決は先を行っている国だと私は思うんですが、技術が追いついていない。
武岡佑樹
(以下、武岡)
 技術の使い方に関しては海外のほうが先取りしているイメージです。これからは、社会課題と世界全体を見ながらでないとエンジニアの価値は出しづらくなってしまうと考えています。
池田  今はノーコードで誰でもシステムがつくれるケースもあり、しかもAIだってコードを書けます。もしかすると、10年後のコンピューターは「0」「1」で動くものじゃなくなっているかもしれません。だから、いまの現時点でのエンジニアは必要なくなる可能性もありますよね。でも、実際にはそうならないと私は考えています。
 なぜかといえば、AIは考えるという行為は得意ではないので、引き続き「思考」は人間の仕事だと考えます。ただコードを書くだけがエンジニアではなく、社会課題の解決に向けた考える力が求められそうです。
IT ソリューション部グループリーダーの池田氏

IT ソリューション部グループリーダーの池田氏

社会インフラだからこそ提供できる「価値」

――ノーコードによるシステム開発などの環境変化は、エンジニアにどのような影響をもたらすのでしょうか

垣花  当然、開発環境が変われば仕事を奪われるエンジニアは出ると思いますが、技術的な切り口が変わったりエンジニアの立ち位置が変わったりすることに落ち着くのではないでしょうか。ノーコードにしても、たしかにコーディングのスキルを持たずに構築できる方法ですが、根底にあるロジックに対しては技術者がかかわらなければなりません。
 10年くらい前に「RPA(Robot Process Automation)」が流行ったのをご存じでしょうか? RPAもシステムを自動化するもので、当時、多くのエンジニアがこの分野に流れたのですが、定着しませんでした。
 「今、ITの現場では何が起こっているのか 」でお話したように、すでに流行っているものは最先端じゃないんです。やはり、エンジニアはその先にある最先端を見る目を養う必要があるということだと考えています。
武岡  IT人材不足といわれていますが、本当に不足しているのは上流工程の技術者や、技術に対する理解を追及する技術者なんですよね。ラ・ハイナとしても、そうしたエンジニアが不足しないよう、一人ひとりのエンジニアのレベルを高めて育てていかなければというのは痛感しています。
――誰も目を向けていないところを見て、考えていかなければ生き残っていけないということですね。
垣花  そうです。スティーブ・ジョブズもクリエイティブな技術を向上するだけではなく、コンテンツをセットにして収入を上げるという方法でブランドを立て直しました。柔軟な思考で目を向けていく必要があります。
武岡  そこで垣花さんに聞きたいんですが、インフラ分野ってあまりクリエイティブに見られない側面がありますよね。実際にネットワークエンジニアである垣花さんはそこのところをどう受け止めていますか。
垣花  何をもってクリエイティブというのかにもよると思いますけれども、私はインフラにもクリエイティビティはあると考えています。もし、私と池田さんの2人それぞれに同じ注文がされたとしたら、結果としてできるものは同じかもしれませんが、そこに至るまでの思想や設計は絶対的に異なり、クリエイティビティだと思います。
 それに、今までにない機能を開発したり、逆に効率化を図って発展の余地を残したりするというところも、インフラにおけるクリエイティブですね。
武岡  そうですよね!どうしても、何かをつくりたいという人たちはフロントエンドやウェブデザインの方向に行ってしまう傾向が強いと感じるんですが、インフラでも同じようにクリエイティブな価値が提供できるんだということを、これをご覧になっている皆さんに共有できて安心しました。
ラ・ハイナ株式会社の武岡代表

ラ・ハイナ株式会社の武岡代表

エンジニアの好奇心がITを支える

――技術の本質に触れてきたところで、エンジニアの資質について議論しましょう。

垣花  「今、ITの現場では何が起こっているのか 」で保守的な考え方にならない方が良い、という話をしましたが、だからといって保守的な技術者はいらないかというとそうではないんです。文字どおりインフラの「保守」の部分では完全な安定稼働が求められますので、本来のプロセスからそれたことに対してはきちんとNOといえる保守的な人のほうが向いているんですね。
 そして、エンジニアの資質という点で、何にでも興味を持てる人は強い。たとえば、(池田を指しながら)この人みたいに趣味もITになっているとか……。
池田 (笑)
垣花  こういったタイプの人は成長率も指数関数的に伸びるんです。エンジニアの世界を引っ張っていくタイプといえます。
池田  ただ、私も下流工程しか知らなかったころは、運用のことを考えられていませんでした。チームプロジェクトでラ・ハイナの社内システムをつくるようになり運用を知ると、設計の段階で「こうしておいたほうが、運用のときに楽だな」と考えられるようになったんです。
 なので、さまざまなフェーズを理解できれば、求められるエンジニアになれるのではと感じています。
武岡  そのとおりですね。ちなみに2人は技術者としての視点で話してくれましたが、少し会社視点からお伝えすると、持っているスキルを次の世代につなげる気持ちのある人だとありがたいですね。
 ラ・ハイナの根本にある思いは、若い人たちが成長できる会社をつくることなので、自身で学び、実践し、それを次の人に伝えられる力は、会社を成長させてくれます。エンジニアとしての好奇心を源泉に、エンジニア同士が刺激しあえる、そんな会社が楽しいですし、これからの技術の発展にもつながりますよね。